Impressions

TRAIL OF TEARS / A New Dimension of Might (2002)

投稿日: 2002/10/20

ノルウェーの7人組ゴシック・メタラー TRAIL OF TEARS の、女声シンガーをチェンジしての 3rd アルバム。
元からゴシックと言いながらかなりメタル色の強いサウンドを聴かせていたが、本作ではこのバンドが持っていた攻撃/叙情/耽美の各パラメータがそれぞれググッと(ややデフォルメ気味にではあるけど)引き上げられたかの様相を呈していて、もはや「ゴシック・メタル」というよりは「ゴシック風味のデス=ブラック・メタル」と呼んだ方が的確かもね。
なんて自己満足なカテゴライズはさて置き、イマイチ楽曲に魅力が感じられなかった前作 "Profoundemonium" でやや萎んでしまっていたこの TRAIL OF TEARS に対する熱意を、本作では衝撃のデビュー作 "Disclosure in Red" 並とまでは行かないもののカナーリ取り戻せるような魅力が再び盛り返しているのが嬉しいじゃん!
なんたって、ブラストすら飛び出すアグレッシヴさを孕んだメタリックな基板に壮麗なる男女クワイアとふくよかなオーケストレーション、そして小サジ一杯のモダンなエレクトロ風味を振りかけたサウンドは、Napalm のお家芸の「荘厳シンフォニック暗黒メタル」まっしぐらな聴き応え抜群の濃密な佇まいなんだもん。
気高き気迫に満ちながら目まぐるしく展開する #3 "Chasing Down", #9 "Bloodred Trance" あたりは現在の TRAIL OF TEARS のあり方を示す本作のハイライトかも。
男声デス・ヴォイスをぶち撒ける Ronny Thorsen(クリーン・ヴォイスはゲスト・シンガーが担当) のパートナーとして美人妻 Helena I. Michaelsen お母たまに代わって女声を担当するのは、Cathrine Paulsen 嬢。この子がいいんデスわ。可憐なソプラノから張りあるフィメール・メタリック歌唱まで、その多彩な歌声は耳を惹きつけるんだよねー。豆タンクなんだけど意外とキュートでラヴリーだし!
#10 "Caffein"FAITH NO MORE のカヴァー。

満足度 : 85
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