Impressions
TO/DIE/FOR / All Eternity (2000)
投稿日: 2000/04/20
こりゃ新しい! こりゃハマる!
フィンランド産のこのバンド、スピード感溢れるビートにメタルリフがザクザクと刻まれる骨格に、哀愁のアルペジオ&味付け程度ながら絶妙な涙腺刺激フレーズを奏でる鍵盤の美味しいアレンジが乗る優れもの。
と、ここまではありがちだが、この TO/DIE/FOR が他の新興ゴシック・メタル勢と決定的に差別化されるファクターは、このヴォーカルのスタイル/メロディだろう。ぬめっとした男声が豊かなコーラスハーモニーとともに、朗々と実に「ポップ」なメロディを歌っているのだ! これがまた煽情力抜群で、まさに「メランコリック・ダーク・ポップ・メタル」の風合い。
よく SENTENCED や DARKSEED, HEAVENWOOD ら比較されているようだけど、私が感じた感触は、喩えるならば "No More Tears", "Osmosis" あたりの OZZY OSBOURNE が TYPE O NEGATIVE の持つ普遍的な ROCK 色としなやかな NEW WAVE 色を取り入れたって感じ。プロデュースやプログラミングを担当している事などから多分このバンドの中心的役割を担っているのだろうドラマーをはじめ、楽器陣も何気にテクニシャン揃い。特に "Togather Complete" で、背筋が寒くなるほどの精度でネオクラシカルフレーズ(これがガッツポーズ物のカッコよさなんだ!)を決めまくるリードギタリスト Joonas Koto は、ギターファンなら要チェック。もちろん音質は Spinefarm の安心印付きね。
ちなみにゲスト女性シンガー2人のうちの一人は Kimberly Goss ( SINERGY )。
久々の「泣きながらヘッドバング」を誘発する傑作だ。
満足度 : 88%