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CHALICE / Augmented (2003)

投稿日: 2004/02/20

南半球オーストラリアのゴシック・メタル・バンド CHALICE の 3rd アルバム。

退廃系ゴシック美少女 Shiralee Morgan タンの可憐な萌え歌唱と女性笛奏者 Alana Probert 嬢の悶絶フルート&リコーダーを主軸に、王道っぽい北欧系耽美ゴシック・メタルを展開してきたこの CHALICE だが、前作までで感じられていたやや類型的な作風からの脱却を実感させる本作の前進っぷりは非常に喜ばしい限り。

そのキーワードは「プログレッシヴな深みの増加」。パワフルにハーモニーを絡めるメタル・リフのアンサンブルとツーバスを惜しげも無く連打するドラムの質感がヘヴィ・メタルであることを主張しつつも、決してアグレッシヴにならずにこのサウンドの隙間を埋める静閑なプログレッシヴな空気と親和してゆく様子がなんとも心地良いんだよね。

正直、前作の弱点だったややチープげな音色はさほど改善されてはいない印象だが、Shiralee タンのソプラノとそのちょい手前の微妙な漂い加減が魅力的な歌唱がフルート、ピアノ、アコギと溶け合い、「クラシカル」とは一味違う耽美を生み出しながら OPETH から陰鬱さを抜いたようなややライトな深遠具合と喩えられる楽曲の中で安穏と不穏を行き来するその「隙間感」に焦点が当たった本作の作風では、この音色ならではの「辺境メタル」な感触すら味方と思えてくるから不思議なものだ。

アコースティックな泣きのバラード #6 “Static”、そしてそれに続く15分の大作となった終曲 #7 “A Semblance of Sanity” のなんとも言えない荒涼たる美しさは絶品ですわ。

決して派手ではないけど、リズムの揺れ一つにプレーヤの息吹を感じ、それに同調したこの身が淡々としかしジワジワと盛り上がってゆく感触が味わえるアーティスティックな好盤。
 (Feb. 13, 2004)

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