Impressions
我が国が誇るメロディック・パワー・メタル・バンド GALNERYUS の3rdアルバム。
Syu (g) の叙情ハイテク・プレイがリードする涙腺を刺激するセンチメンタルな哀感特盛りのテクニカル・メタルは、これまでの路線を踏襲する中で、意図的にタフさを大きく増した Yama-b (vo) の剛健歌唱を大胆にフィーチュア。1st での「人の良さが滲み出たハイトーン」(笑)が好きだったけど、全体に硬質なシリアス・フィールを生み出すこの歌い方も悪くない。
最初聴いた時は、その Yama-b の新唱法の表情の乏しさが耳に障ったり、楽曲にくまなく配された哀愁を演出するコード展開や旋律移動の完全に先が読めるワンパターンさに辟易したり、Syu のプレイに滲む若さ故の“浅さ”が気になったり、Yuhki 姫 (♂key) のやや大人しめのパフォーマンスに勿体無さを感じたり・・・と、やけにマイナス要因が目立ってしまったけど、何度もリピートするうちに・・・ス、スマン、やっぱオレはこーゆテクニカルな泣きの様式メタルが大大大好きだわ!と謝らせてもらいました。(汗)
イントロで早くも死ねる勇壮なオープニング疾走チューン #2 "Shriek of the Vengeance" から休みなく更なる疾走を重ねる #3 "Raid Again"、Yuhki 姫作らしい壮大なるドラマティック旋律が美味しい #5 "Point of No Return"、彼らのポップ・サイドの魅力を効果的に放つキャッチー・ミドル #6 "In the Cage"、曲名のとおりへヴィな重厚さが魅力の #7 "Heavy Curse"、プログレッシヴな攻撃性に犯られる #8 "Vanishing Hope"、解ってて騙されちゃう感じのべったべたのバラード #9 "Dawn of Tragedy"、そして彼らの作品に欠かせぬ「Flag シリーズ」の名に恥じぬ雄々しき疾走チューン #11 "Braving Flag"・・・と、曲毎にキャラの立ったナイスな流れが素敵過ぎるわ。
ただ一点・・・よりによってTシャツを着用しちゃうというビジュアル・イメージの大きな後退はやっぱ勿体無いなぁ。アニメ系ビニール鎧>>>>>超えられない壁>>>>>普通の黒Tシャツ・・・ってことでヨロシク。
(Jul, 24, 2006)