Impressions

DREAM THEATER / Black Clouds & Silver Linings (2009)

投稿日: 2009/06/20

プログレッシヴ・メタル・パスファインダー DREAM THEATER の記念すべき第10作目。前作 "Systematic Chaos" は一部の曲を除いて非常に散漫な印象だったけど、今回はその残念さを払拭するようにかなりイイんじゃないのコレ!?

本編の75分という長丁場を構成する今回の6曲(うち4曲が10分超)は、いきなり16分に亘ってダークなドラマティカを炸裂させる #1 "A Nightmare to Remember"、前4作に亘って"The Glass Prison""This Dying Soul""The Root of All Evil""Repentance" とストーリーを重ねてきた組曲 "Alcoholics Anonymous Suite" の最終章となる #4 "The Shattered Fortress"、頬が綻ぶ RUSH テイストと泣っき泣きのエンディングのコントラストがタマラン Mike Portnoy (dr) が亡き父に捧げた #5 "The Best of Times" など、どれも長さを感じさせない必然的な造りとキャラ立ちの強さが好印象で、アルバムとしての曲順の流れも秀逸。

残念ながらここ数作で顕著だったバンドとしてのケミストリーの希薄化はここでも止まっておらず、音からも "Portnoy & Petrucci Band" (笑) の様相がはっきりと伝わってくるほどになっているが、今回は John Petrucci (g) によるネオ=クラシカル側に強く傾倒した鬼神プレイの大きな充実が、その残念さを見事に帳消しにしているのが嬉しい。Mikey の“ジャイアン・ラップ”(苦笑) もバンドの風物詩だと思って慣れちゃえば大丈夫だしね。(^-^;

おまけ(?)のカヴァー集 DISC-3 も、RAINBOW, QUEEN, DIXIE DREGS, ZEBRA, KING CRIMSON, IRON MAIDEN という絶妙なのか外し気味なのかよくわからない(苦笑) DREAM THEATER らしい選曲で楽しめる。中でも QUEEN メドレーでの James LaBrie (vo) の歌いっぷりは、本編で聴けるどのテイクよりも見事。前出の“ケミストリー”やバンドの地力は(収録された時期の関係もあると思うけど)、このカヴァー集からの方が強く感じ取れるような気がする。

 (Jun, 28, 2009)

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