Impressions

OPETH / Damnation (2003)

投稿日: 2003/04/20

昨年リリースされた 6th アルバム "Deliverance" と対を成す連作という位置付けとなる 7th アルバム。

「ヘヴィ・サイド」であった "Deliverance" に対して本作は「メロウ・サイド」であると予告されていたとおり、淡いアコースティックな浮遊感が支配する安堵感に包まれた作風で、Mikael Åkerfeldt は一切のデス声を排除し、全編でクリーン・ヴォーカルを披露。

とはいえ、グルーヴィな変則リズムや旋律美の暗黒な装いなどの OPETH らしさが誘う「不条理なイラツキ」を、安堵感が主体の音像の中にしっかりと漂わせているのは流石の一言で、Mikael のエモーショナルを内に秘めた見事な静の歌唱と、実に丁寧にトーンと共に感情をコントロールする Peter Lindgren のギター・ワーク(#7 "Ending Credits" で号泣!)のアンサンブルが呼び込むプログレッシヴな儚い叙情は、メロウな味わいの本作でも従来通り見事にトリップを誘う。

背後で鳴り渡る Mellotron や Rhodes 等ヴィンテージ系キーボードの響きも、マジで即死モノの心地良さ。

FINNTROLL"Visor om Slutet" 同様に、これが OPETH のレギュラー・アルバムとすればヘヴィな混沌が存在しないという事実はチョー物足りないのだが、そんな不満はアーラ不思議、「"Deliverance" と併せて一つの作品」と考えればあっという間に解消だ。(苦笑)

てゆーかコレ、パンピー嬢との夜のドライヴ・デートにめっちゃ向いてるじゃん!?・・・すなわち最高ってことデス。

 (Apr. 21, 2003)

[Jan. 08, 2004 追記] ソロ・パートの多くは Peter Lindgren でなくて Mikael Åkerfeldt が弾いてるらしいデス。

満足度 : 92
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