Impressions
1998年のデビュー・アルバム "...from a Bleeding Heart" を歴代の耽美ゴシック・アルバム群の頂点近くに位置する超神盤として崇め奉ってしまっているオレ的には、このスウェディッシュ・ゴシック・メタル・バンド BESEECH は、作を重ねる毎にその魅力を確実に減退させていようともどうしても贔屓目に見てしまうし実際新作が出る度に買い続けていたけど・・・この 4th アルバムに至ってやっとこさ諦めがついたかなって感じ。
耽美さを醸し出すピアノの響きを身に纏ったメタル・リフが骨太にドライブする楽曲のロマンチックな出で立ちや前作から加入した男声シンガー Erik Molarin のそのアイ・ライン同様のエロ声からは「BESEECH らしさ」の面影が未だに感じられてはいるし(#1 "Drama", #7 "Come on in" は顕著かな)、ダークなグルーヴが気だるく拡散する細部のアレンジにこだわったクオリティの高いサウンドは、思い入れ云々を差し引いて考えれば決して悪いものではないんだけど、BESEECH が提供してくれるはずだった物に対する満足度としては・・・こんな感じだな。
女声シンガー Lotta Hoglin ちゃんの歌声にイマイチ魅力が希薄なのも惜しまれるが、#4 "Forever Falling", #8 "Friend Emptiness" らで得られるアトモスフェリックなトリップ感が新たな魅力として見つけられたのは、ちょっとだけ得した気分かも。
(Feb. 03, 2004)
満足度 : 67%