Impressions

PINK CREAM 69 / Electrified (1998)

投稿日: 1998/10/20

デビュー盤 "Pink Cream 69"(最初輸入盤店で買った時は、彼らがその後ここ日本でブレイクするとは思いも寄らなかった)そして2nd "One Size Fits All" と哀愁溢れるセンチメンタル・メロディを堪能させてくれた PINK CREAM 69 だったが、その後はまともに聴いていなかった。
・・・そして本作。噂で「あの哀愁が復活!?」なんて聞いたら触手も伸びようってもんです、ハイ。この "Electrified" は死に体 in My Mind だった PINK CREAM 69 にとって間違いなく起死回生の一打となると確信した!
確かに Andi Deris 在籍時とは全く毛色の違うサウンドだ。シンガーのキャラクタに因るところも大きいのだろう、以前はメタル・エッジに溢れながらも繊細で女性的な哀愁の旋律を紡いでいたが、本作ではバラードからスピード・メタルまでヴァラエティに富みつつも、骨太で男っぽくメインストリーム的な色彩で統一されている。
間違いなく本年度のベストチューン候補の一角となるであろう絶品の哀愁ハードポップ "Shame"、パワフル且つキャッチーにドライブする "Burn Your Soul"、穏やかな雰囲気が心地よい "Rocket Ride"、仄々としつつホロリと愁うピアノが良い感じの大地系バラード "Gone Again" と佳曲が目白押し。それらの楽曲の主役はシンガー David Readman に他ならない。彼のソウルフルで堂々としつつも、しなやかに伸びる高音をも備えた驚異的な歌唱は全編に亘って超聴きドコロ。また Alfred Koffler が随所で披露している情感溢れるメロディックなフレーズも楽曲に極上の憂いを与るのに成功している。
これがあのかつての PINK CREAM 69 かどうかはともかく、極上のメロディックHR アルバムであることを疑う余地はない。彼らにチャンスを!

満足度 : 89
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