Impressions

ELEGY / ELEGY (2002)

投稿日: 2002/04/20

オランダの・・・いや、今やオランダを中心としつつも「多国籍テクニカル・メタル・バンド」となった ELEGY の7作目。
前作 "Forbidden Fruit" では、所々で 5th "Manifestation of fear" の不調による悪夢を振り払うかのような復調の片鱗を見せ始めていたが、本作では(まだまだ本調子ではないものの)さらに本来の魅力を取り戻す意欲を増しつつあるのがしっかりと感じられるまずまずの印象。
一聴してそれと判る英国シンガー Ian Parry の旨味ある熱唱とフレンチ・ネオ=クラ職人 Patrick Rondat のネオ=クラシカル・ギター、そして推進力に溢れる力強いリズム隊が織り成すプログレッシヴかつテクニカルな正統メタルは、プログレッシヴな感触を充分に残しつつも、以前のようにマニアックにテクニカル・フィールドに傾倒することのないバランスの良さを見せていて、ここに来てようやく Henk van der Laars の呪縛を断ち切った感のある「第3期 ELEGY の船出」とも言えよう佇まいだ。
近作で聴かれた面白みに欠けるダークなヘヴィ・サイドをアピールする一面がまだまだ一部で残っていたり、Ian Parry の歌唱が「どんな曲でもオレ様が歌えば伝統的メタルなのさ!」ってな押し付けがましさを発散していたり、ギター・プレーヤとしては幅広いスタイルを持ちながらも「メタラーとして」メタル方向についての視点の狭さを露呈する Patrick Rondat のフィーリングが他の演奏陣と少々噛み合っていないと感じたりする問題点もしっかりと感じるが、"No Code No Honour", "Pilgrims Parade" といった疾走感のある佳曲の存在は、その問題点を充分にカヴァーしうる本作のアピールポイント。特に前者は「悶絶級」の勢いを感じるイイ曲だなぁー。
ゲストで迎えられた初代シンガー Eduard Hovinga の歌声が各所でしっかりと聴けるのも嬉しいね。

満足度 : 84
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