Impressions
前作 "Down" はシンガーを普通のダミ声の Ville Laihiala に(なんか変な表現・・・)交代してデスメタルからの完全脱却を謀りしも、傑作 "Amok" の中枢を成していた「ドラマティックな泣き」の側面がかなり後退していたこともあって、印象に残り辛い作品だった。
が嬉しいことに、意外なほどにひっそりとリリースされたこの新作は、モノクロームの味気ないスリーブ・デザインが与える無機質な印象とは裏腹に、かつての PARADISE LOST が醸し出していたような「メランコリック」(あぁ~、堪んない響きだね。^_^;)なフィーリングをたっぷりと携えている。
スタイルとしては "Amok" を「正統派HM」として見るならば幾らかダーク&ムーディな「モダン・ゴシック・メタル」寄り。どの曲にも Ville Laihiala の不思議な魅力ある歌による哀愁のメロディが溢れ、Miika Tenkura の扇情ギターの効果もあって概ね良い感じではあるのだが、残念ながら突出した楽曲の不在がアルバム全体の輪郭をぼやけたものにしてしまっている。
インスト、"Mourn" の水晶の如き北欧的泣きはタマランけどね。
満足度 : 82%