Impressions

OPETH / Heritage (2011)

投稿日: 2011/09/19

スウェディッシュ幽玄エクストリーマー OPETH の10thアルバム。・・・って、デス・ヴォイス完全排除&ヴィンテージなプログレッシヴ・マインド全開となった今回の作風では「エクストリーマー」って冠はちょい違和感あるね。

前記のようにノスタルジックな懐古主義的方面に極端にシフトした本作を一聴しての第一印象は、第一期 DEEP PURPLE の何にも縛られないアート・ロックな奔放さをドゥーミー/ゴシカルに解釈してみた・・・的な。確かにこれは間違いなく問題作だろうけど、OPETH に求めていた深遠かつ静謐な魅力は見事なまでに保持・・・というか今まで以上にその部分を強く推し出してきた印象で、意外なほどにすんなりと耳に入ってきて憎々しいまでに“My OPETH 欲”を満たしていく。

けれど、やっぱいくら何でもコリャちょっと枯れ過ぎだよなぁ。モダンな(と言ってもいいよね?)テクニカル暗黒メタルとしての側面にも大きな魅力を感じてた身としては、この変化は痛し痒し的な。。。 更には、この路線が心の奥底から自然に湧き出てきたというよりは、過去に彼ら(というより Michael 自身)が影響を受けてきた音楽を意図的に「こういう感じで」と机上でトレースしたようなあざとい計算高さもちょっと気になる。

と、頭では解っていても、プログレ方面への憧憬を最高の形で詰め込んだ #2 "The Devil's Orchard", #8 "The Lines in My Hand"、そして Ritchie Blackmore 風味全開のナイスな疾走ハード #4 "Slither" あたりは、クラクラするほどに魅力的だったり。

はい、OPETHの勝ち〜。(笑)

満足度 : 88
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