Impressions

HELL / Human Remains (2011)

投稿日: 2011/06/26

1982年に結成されNWOBHM期に活動するも、レーベル (MAUSOLEUM) 倒産や中心人物 Dave G. Halliday (vo,g) の自殺などによって1987年には解散状態となっていたUKオカルト・メタル・バンド HELL。彼らが2008年に再結成し、過去のマテリアルをリ・レコーディングしたのがこの1stフルレンス・アルバムだ。

この復活劇の中心となったのは、現在一流プロデューサーとしても名高い Andy Sneap (g/SABBAT) その人。この HELL が活動していた当時の大ファンであり、前述の故・Dave にギターを習っていた(!)ともいう彼自身がギタリストとして加入することで、バンドは当時を遙かに超える恐るべきクオリティで再生を遂げることになった。

・・・って、俺はNWOBHM期当時にはこの HELL の存在は知らなかったので今回は純粋に「新しいバンドの新作」として接することになったんだけど、いやはや、そのカッコ良さにマジ瞬殺されましたよ! オカルト系NWOBHMの中では MERCYFUL FATE に最も近いと言えなくもないけど、もっと普遍的な80'sヘヴィ・メタルのドライヴ感が強いと同時に儀式的にプログレスする妖しさ/暗さも顕著なそのスタイルはかなり個性的。「あの時代」の地下層にリアルタイムで生きていたバンドらしいカルトな雰囲気を上手く残しつつ、Andy が持ち込んだと思える現代的なシンフォニー/クワイアが北欧的ブラック勢にも通じる邪悪さを滲ませる場面を産んでいたりと、「今」にアップデートされた現代イーヴル・メタルとして文句なしの完成度を誇るに至っているのが凄過ぎる。

実は再結成当初は Andy 人脈の Martin Walkyier (vo/SABBAT) がシンガーの座に就いていたらしいが、その後現シンガー David Bower に交替。で、この David の存在感が本作のキモってくらいにデカい! 俳優を本業とする彼らしいナイスなキレっぷりのヘタウマ演劇的歌唱ってば、本作におけるオカルティックな雰囲気作りにマジで一役買い過ぎですからw

ちなみに、輸入盤のLimited Editionに付いてくるボーナス・ディスクには当時のデモが本編と全く同じ曲順で全曲分入ってて、それと本編を聞き比べるのもカナリ楽しいです♪

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