Impressions
この久々の新作をリリースした THRESHOLD、ヘヴィなリフとタイトなリズム隊のパワー・ヒット、そしてテクニカルな緊迫感あたりは「プログレ・メタル」のフィールドに位置するだろうが、ブレインであるギタリスト Karl Groom の深層心理が滲み出た、いかにも英国らしいそのアクのある優雅さをもって、やっぱここは是非「ヘヴィ・メタリックなブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・バンド」と解釈してしまいたいな。
ヘヴィ・メタルのゴリッとした質感にポリシンセのアルペジオがうねるネオ=プログレッシヴの息吹が融合し、そこにポンプ・ロックの淡い水平が広がるその独特の感触は、名シンガー Damian Wilson に代わり前作から加入したシンガー Mac の「頼りなげでありながら説得力のあるポンプ声&ハーモニー」も上手く作用し、もはや「THRESHOLD 節」の様相を呈すに至った感がある。
正直、テクニカルな高揚と叙情の安堵両面ともに突き抜けたカタルシスを得るには至らず、やや決め手には欠けるきらいがないとは言えないが、そのあまりにも丹念に作りこまれた音飾の密度は相当なもので、末永くじっくりと楽しめそうな佳作に仕上がっていると思うよ。
満足度 : 82%