Impressions

ESPERS / II (2006)

投稿日: 2006/07/20

米フィラデルフィアの暗黒ネオ・アシッド・フォーク・バンド ESPERS の2ndアルバム。

アコギ、チェロ、リコーダーのダークな交錯と透明感を滲ます男女混声ヴォーカルが抒情を漏らす幽玄なる静謐フォークなんだけど、時折り顔を出す侘しく歪んだ荒涼ギターと各種鍵盤系のサイケデリックなモジュレートが召還する美しい混沌が、この ESPERS のアーティストとしての“格”を、非マニアな一般層が好む単なるヲシャレ系スロウ・コアから「暗黒ドゥーム・メタル」の域にググっと引き上げているのが頼もしい。

メタル以外の音楽も好んで聴いてると思われちゃうことを耐え難い恥辱と恐れる真のメタル・ヲーリアが、モデル軍団との合コンで「どんな音楽聴いてるんですかぁ~」とか訊かれちゃったりしてやむなく自分を偽らねばならん重要な局面でも、自らの尊厳を傷つけることなく「ESPERS って知ってるぅ? 暗黒フォークなんだけどさぁ~(*^o^*)」って言えて、しかも「暗黒フォークってナニソレ~!? ギザバロス~!!」って盛り上がれること必至のチョー便利盤。さらに、その後実際に聴かす機会に恵まれても「あ、こーゆーの意外と好き」ってなるしね。(ニヤリ)

「暗黒フォーク原理主義者」にとってはチョイと物足りないって話もあるけど、寺山修司三上寛森田童子山崎ハコらよりはこの ESPERS の方がよっぽど「ホンモノの暗黒フォーク」という言葉には近いと思うよ、オレはね。

 (Jul, 07, 2006)

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