Impressions

VANITAS / Lichtgestalten (2004)

投稿日: 2004/10/20

オーストリアの耽美派ゴシック・デス・メタル・バンド VANITAS の 3rd アルバム。

前作 "Der Schatten Einer Existenz" での悶絶フォークロア炸裂な耽美クサ・ゴシックに見事に腰を抜かされた体験は未だに記憶に新しく、それが生む並々ならぬ期待を持って対峙せざるを得ない・・・というのは「名盤の次作」に共通の宿命なんだけど、本作はまさにその宿命の渦に飲み込まれてしまった感じ。

悶々としたクラシカルな耽美さとヘヴィ・メタルのパワフルな推進力が融合した魅惑極まりない美味しい路線は前作同様なんだけど、今まで壮麗なシンフォニーに覆い隠されていた「チープさ」が、本作でグッと増進させられたメタリックでモダンな勢いに便乗して表層に現れてきちゃったっぽいんだわさ。

ってか、そんな残念フィーリングもあくまで名盤だった前作と比較して・・・の話で、ここに収録された欧州の歴史ロマンに満ちた大仰な悶絶バロック・メタルの数々は、本作単体で見た場合には十分に満足できるもの。

哀しく弾むピアノの音色に Maria Dorn タンのドイツ語ウィスパーのエロさがタマラン #4 "Sammelleidenschaft"、高貴なる弦楽の響きに導かれてヴァイキング風味が爆発する #7 "Kontrollverlust" なんてマジで悶絶を禁じ得ないもんな。

まぁ、次作に期待しながらも、これからどんどん聴き込んでみよう。音造りが濃密なだけに、聴けば聴くほど段々良くなってくるタイプだってのはもう解ってるからね。

 (Oct. 18, 2004)

満足度 : 82
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