Impressions
MITHOTYN と共にバイキング・メタルの旗頭を担う EINHERJER の2ndフル。本作 "Odin Owns Ye All" は、音像こそ「デス」のそれだが一切のデス声は収録されていない。全然上手くはないが、下手さが全く気にならないシンガーの歌声は、喩えて言うなれば80年代のドイツ出身のマイナーバンドによくいたダミ声系の人みたい。
冒頭の BAL-SAGOTH 真っ青のシンフォパートが必要以上の期待を抱かせてしまうが、極端なシンフォアレンジはそのイントロだけ。他の曲中ではキーボードは味付け程度に使用され、主役はメタリックなリフ、そしてサビのヴァイキング達の雄叫び。「お~お~お~」やら「らいらら、らいらら~」やら、癖になってしまいそうな哀しき旋律の合唱をはじめとする、全曲で乱舞する勇壮かつ哀愁たっぷりの超クサクサ・メロディは魅力十分だ。
特に6曲目 "Home" からラストまでのクサクサぶりは、笑い/哀しみの両方の意味で涙が止まらないほど。
プロデュースは最近そっち方面で多忙な Andy LaRocque(KING DIAMOND)。ギターの方は超 Favorite だが、プロデュースに関しては「彼ならでは」って特色、あまりないなぁ。
満足度 : 81%