Impressions
フィンランド産メロディック・スピード・メタル・バンド CELESTY のデビュー・アルバムにして本邦デビュー盤。
ギター&キーボードがハイ・テックに競い合いながらブチかますキラキラドコドコな疾走の風合いとわかりやすいキャッチーな北欧歌メロの具合こそいかにも SONATA ARCTICA を御手本にしてマスって感じだが、それに加えてこの CELESTY に備わっている大きな魅力が、イタリアン・メタルに通じるエピックな大仰さ。
全編をリードする勇壮なオーケストレーションの響きは、ゴージャスなんだかチープなんだかよくわからない(苦笑)けれども、要所要所で聴き手の血を沸き立たせることは間違い無いんだよね。タイトルトラック #5 "Reign of Elements" のイントロとか #3 "Revenge"のソロの途中とか、悶死する寸前だったもん。(笑) この派手めのオーケストレーションをはじめ、曲の随所で実にセンス良く小技を聴かせる鍵盤奏者 Juha Maenpaa、テク的にもカナリのものを持っていると感じられるし・・・只者じゃないかも!?
彼と対決するリード・ギタリスト J-P Alanen (18歳!?) はじめ、他のメンバーもその若さらしからぬテクニシャン揃い。もちろんシンガー Kimmo Peramaki のヘナチョコ・ヴォイスだって充分に「これが若き血潮なんじゃん」って許容できる範囲だしね。(笑)
ただ、#2 "Charge" が、デモ "Times Before the Ice" で聴けた「シャキーーーン!(剣を抜く音)」「Chaaaaaarrrrrge!」ってアレンジじゃなくなってるのは超残念。あの「失笑寸前のやり過ぎ感」もこの CELESTY 大きな魅力だったんだけどなー。