Impressions

ETERNAL TEARS OF SORROW / Saivon Lapsi (2013)

投稿日: 2016/05/09

フィンランド産メロディック・デス・メタル・バンド ETERNAL TEARS OF SORROW の7thアルバム。

作を重ねる毎に慟哭たる悲哀を増している感のある ETOS。本作は、それがここに遂に極まったかと思えるような、彼らの作品史上最も劇的な1枚となっている。とにもかくにも終始メランコリックな涙を滴らしつづける楽曲は、最早ゴシック・メタルの領域にどっぷりと踏み込んでいると言っても遜色ないだろう。

近作にて弱点の克服に注力していたシンガー Mika Lammassaari のデス・ヴォイスが、その努力の甲斐あってかなり良くなったことに加え、クリーン・ヴォイスを担当するもう一人のシンガー Jarmo Kylmänen に焦点が当たるパートが大きく増えたことで、本作ではヴォーカル・パートの存在感/歌メロの魅力がこれまでになくエモーショナルに伝わってくる印象だ。

その最たる曲が #7 "Sound of Silence"。準メンバーと言ってしまっても問題ないだろう程に毎作参加している RAM-ZET の女性シンガー SfinX こと Miriam Renvåg 嬢も交えて美しく綴られるこの名バラードの前には、頬を伝う清らかな涙は永遠に止まることはない。

#11 "Angelheart, Ravenheart (Act III: Saivon Lapsi)" が前々作 "Before the Bleeding Sun" 〜 前作 "Children of the Dark Waters" 収録曲の連作となっているという作品間をも繋ぐドラマティックな構成もニクいし、もちろんリード・ギタリスト Mika Lammassaari による魅惑の激泣プレイも全編でバッチリ。うん、悶える外ないわこれ...

満足度 : 92
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