Impressions
何故だか前作 "Queen of the Ocean" はあまり心に響いてこなかったんだな。なので以前ほどの期待をすることなく(つってもそれなりにスゲー楽しみにはしてたよん)向かい合うことが出来たこの新作、冒頭の "Astrology Prelude" から最後まで全70分余の長丁場、緻密かつダイナミックなハード・シンフォ・アレンジにぐいぐい引き込まれる、「これぞシンフォニック・ロック!うん!」と一人頷き入ってしまう好盤で、まずは一安心。
で、まず気づいたのは、インストパートの演奏力が桁違いに高くなっていること。その原動力はドラマーの Ed Warby ( GOREFEST )。パワーとタメ具合のバランスがいいし、手数の多いフィルを連打したとき、思わず「エア・ドラム」を誘発させられてしまう爽快感/高揚感を発散するいいドラマーだ。もちろん Erik Norlander のオーケストレーション・センスも流石だし、今回はもう一人のオーケストレーション奉行(笑)Arjen Anthony Lucassen のせいもあってか、ギター・パートの質の充実振りも嬉しいね。(ソロ・パートは David victor の方が活躍してる。)
楽曲も、フレンチ・ポップ・バラード的序章からドラマティックに盛り上がる "Alexandria"、ハーモニーギターがツボを突く哀愁ハードロックの佳曲 "Raining", "Long Winter Dreams" をはじめとして、さすがに歴史的名曲 "Under the Olive Tree" 級の曲を願うのは無理ながらも、それぞれの曲にその曲ならではの質の高いフックが仕込まれた出来のよいものが揃っている。
が、不満がないわけぢゃないんだな。ツーバスドコドコ疾走チューン "Speed of Sound" がどう考えてもミスマッチなのと、(決して悪い曲じゃないけどさ。。。)壮大なヘヴィ系の楽曲が雰囲気重視でイマイチそのメロディに輝きがないってのが、まぁナニなわけで。
あとはやっぱ Lana Lane の声って、"Curious Goods" みたく上手く嵌ると癒し系としての凄い好きなフィールを感じるんで、ぜひそっちの方もまたよろしく・・・って感じかなー。
あ、余談ですが版権の一部は FAIR WARNING 同様 Burrn! Music 。「自社アーティスト」ですな。