イタリア南部シチリア島パレルモのシンフォニック・エピック・メタラー THY MAJESTIE の5thアルバム。

"ヘイスティングスの戦い"や"ジャンヌ・ダルク"など様々な史実をテーマとしてきた彼らが今回選択したのは、紀元前221年に中国統一を成し遂げた最初の皇帝、始皇帝の生涯。といっても中国や東洋を想起させるようなオリエンタルなエッセンスは最小限に、いつもどおりの THY MAJESTIE 流の欧風ドラマティック・メタルが全編を支配している。

前作リリース後に多くのメンバーが離脱してしまうというトラブルの中で、新メンバーとなった表現力豊かな実力派 Alessio Taormina (vo/ex.CRIMSON WIND) と無名ながら天才肌な鍵盤奏者 Giuseppe Carrubba の踏ん張りが新体制をフレッシュに牽引するという、まさに「災い転じて福となす」的な一枚となった。前作から加入の Simone Campione (g/HOLY KNIGHTS) のプレイヤー/エンジニア/プロデューサーとしての多岐に亘る貢献の大きさも見逃せない。

#10 "End of The Days" で仙人：安期生役を賢者の如く演じた Fabio Lione (vo/ANGRA, TURILLI/LIONE RHAPSODY, LIONE/CONTI, ex.RHAPSODY, RHAPSODY OF FIRE, VISION DIVINE, LABŸRINTH ...多すぎて疲れた...^^;) の熱唱も見せ場の一つだ。