Impressions
ドイツが誇る最強ヘヴィ・メタル・マシーン ACCEPT の通算13作目。
シンガーを Udo Dirkschneider (U.D.O.) から Mark Tornillo (vo/ex-TT QUICK) にスイッチして奇跡の復活を果たした前作 "Blood of the Nations" があまりに凄過ぎたもんだから、本作を最初聴いたときはやや地味に感じられたんだけど・・・なんのなんの! 何度か聴くうちに「その“地味さ”こそがキモ!」と言わんばかりの凄みがバリバリと迫ってくる。
そう、今回は一見地味めなミドル・テンポの楽曲が実はグイグイ来てヤヴァい。感動的としか言い様のない勇壮なニュー・アンセム #2 "Stalingrad"、シンプルな中にヘヴィ・メタルの全てを詰め込んだメタル&ロール #3 "Hellfire"、リリカルな魅力満載の #5 "Shadow Soldiers"、メロウなグルーヴに揺らされた果てに終盤の加速に悶絶必至な #8 "Twist of Fate" などが発する、本来の“ドイツ産実直無骨メタル”たる「変に媚びた色気を見せぬメタル魂」に痺れちゃうわけですよ。もちろん、#1 "Hung, Drawn and Quartered" や #9 "The Quick and the Dead" といった漢汁を撒き散らしながら高速回転するスピード・チューンも刺激的なのは言わずもがな。
前作ではオリジナリティを滲ませつつも大筋では Udo 期のイメージを保持しようとも努めていた(と思う) Mark が、今回は自身の開放度をさらに上げて様々な表現を駆使しているのもいいね。全編で「ヲッサン労働者の哀しき激情」迸らせる中、特に #3 "Hellfire" のソロ後で聴けるメロディック歌唱の切なさにはキューンと来まくり。そして Wolf Hoffmann (g) 顔芸が目に浮かぶ渾身プレイの泣き度がアップしてるのもタマラン。#7 "Against the World" での激エモ−ショナルなソロをはじめ、全曲に配された「歌えるソロ」にはこっちまで顔芸強いられますわ。(苦笑)
前作ん時も書いたけど、あと欲しいのはやっぱ Peter Baltes (b) のリード・ヴォーカル曲だな。神盤3rd "Breaker" に収録の "Breaking Up Again" とか "Midnight Highway" のBメロとか、あーゆーのがまた聴きたいよ。ホントいい声なんだもん。