Impressions

DORN / Suriel (2004)

投稿日: 2005/03/20

ドイツ産メロディック・デス・メタル・バンド DORN の 4th アルバム。

端整な正統メタリック・リフにシンフォニックなキーボードが重なり、その上で♂デス・ヴォイスと♀ソプラノがデュエットを奏でる・・・というありがちなスタイルながら、耽美な方面へのベクトルを意外にも高いクオリティでまとめた感触のサウンドは、これまで聴いた中だと SIEBENBURGEN に近いカッチリと角ばった安定感が印象的ななかなかの聴き応え。

この DORN ならではの独特の味があるのも嬉しく、キッチュでビザールな音色のキーボードと♀シンガー Ira 嬢の無垢なエンジェリック・ソプラノが織り成すシアトリカルとも思える緩急のドラマが醸し出す暗黒ゴシック・テイストな荒涼感の、良い意味でB級ならではの味わいはベリー・ナイス。

特に、Ira 嬢の可憐なソプラノ・ヴォイスの響きは、決して主役ではないにも関わらず非常にこの耳を惹きつける。本来リード・ギターのオブリガードが切り込んでくるのに相応しいタイミングで、主旋律に対してカウンター気味に被さってくるそのタイミングが絶妙なんだよな。

そんな風に、個々のパートや全体の雰囲気は悪くないし(むしろ良好)、即効性の高い好みな音像ではあるけど、♂シンガーの押し潰し系デス声がさほど好みでなかったり、特筆すべき楽曲が見当たらなかったり・・・と、イマイチのめりこめなかったりするソコソコな一枚。

ちなみに、“車掌メタル”です。(内輪笑)

 (Mar. 04, 2005)

満足度 : 70
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