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ChthoniC (閃靈) / Takasago Army (高砂軍) (2011)

投稿日: 2011/09/27

台湾のメロディック・ブラック・メタル・バンド CHTHONIC の6th。

タイトルの "高砂軍" は、太平洋戦争末期に日本統治下だった台湾の原住民志願兵によって編成された日本軍の部隊「高砂義勇隊」の事。本作は、「日本人として」軍兵以上に勇敢かつ献身的に戦いつつも、終戦後は補償対象から除外されるなど歴史の狭間に幽閉されてしまった彼らの哀しい史実を描いたコンセプト作だ。

シンフォニック&エクストリームな装いの上質オリエンタル・ヘヴィ・メタルという前作までのスタンスを踏襲しつつ、元来のブラック・メタル色を解かりやすい形に咀嚼すると共に二胡/尺八/琴を駆使してアジア圏以外のリスナーにとって非常に魅力的と思えるだろうグローバル視点のエキゾチシズムを創出したサウンドは、前作で到達したワールド・クラスのレベルを更に突き詰めたかの「完全進化」の様相。

フォーク/ヴァイキング系にも通じる悲壮なる雄々しさを湛えた #3 "Takao"、そして背後に鳴り響く玉音放送のS.E.に身が凍る圧巻の劇的チューン #7 "Broken Jade" らに代表されるアジア民族のアイデンティとヘヴィ・メタルへの愛情とを真摯に封じ込めた濃厚な楽曲群は、我々日本人にとってあまりにも重いテーマを背景にして極限なまでのドラマティックな慟哭を放射しながら襲いかかって来る。

特筆すべきはシンガー Freddy Lim (vo) の表現力の圧倒的な向上。ブラックな喚きから説得力あるノーマル・ヴォイスまで様々な技法を駆使しながら、シアトリカルと言える程のテンションの高さで、今回の深いテーマを見事に語りきっている。もちろん、美貌のベーシスト Doris Yeh タン (b, vo) による拙さが儚さに繋がってるコーラス・パートも良いアクセント。

学校では習わなかった高砂義勇隊のことを今更ながらにアレコレとググりながら本作を聴いてると、ホンマ泣けてきますよ・・・。(TwT) 彼ら CHTHONIC を「アジアの誇り!」と胸を張って讃えたくなる、そんな大傑作。

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