Impressions
何はさて置き、正式メンバーである女性シンガー Tinna Carlsdoller の素晴らしい歌声にクラクラ! メンバーショットでも鋲つきリストバンドを装着した男どもの中心に位置しているとおり、曲の中核を成すのは彼女の魅惑のフィメール・ヴォイスだ。
哀しみを振りまきながら疾走するシンフォニック・ブラックパートはクオリティは高いが正直言って他のバンドとの明確な差別化はできないものの、彼女のパートが絶妙になだれ込んでくると状況は一変する。明快でわかりやすく、しかも即効性があるメロディはコンテンポラリな魅力を持っており、ブラックメタルでありながらさながら THE GATHERING のようなすがすがしい風をも運んでくる。
その他の演奏陣に目を移しても、重量感に満点の安定したドラムやオーセンティックなフレーズの数々がHMマインドを刺激するギターも◎で、普通のHM 的なパートでは「耽美な IN FLAMES 」的な感触も。キーボードは先だって "Amorous Anathema" で壮麗なる暗黒美を堪能させてくれた EMBRACED のメンバーが弾いているのもいいね。
プロデュースは Andy LaRocque(KING DIAMOND) がバンド自身とともに手がけている。
いやー、マジでかなり気に入りましたよ、これは。
満足度 : 88%