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ADAGIO / Underworld (2003)

投稿日: 2003/07/20

2001年、名盤 “Sanctus Ignis” で衝撃的なデビューを飾った、フレンチ・テクニカル・ギタリスト Stephan Forte 率いるネオ=クラシカル・プログレッシヴ・メタル・バンド ADAGIO の、超待望の 2nd アルバム。

前作で聴かれた「歌ものメロディック・メタル」なキャッチーさをやや後退させ、その代わりに壮麗極まりないシンフォニーと女声クワイアを大胆に増量した大仰に展開するクラシカル・プログレッシヴ・メタルは、SYMPHONY X 度が大幅にアップ。

とはいえ、StephanMarty Friedman にも通じるエスニックなフレージングを絡めた悶絶度激高のエモーショナルなテクニカル・ギター・ワークと、シンガー David Readman (PINK CREAM 69) のあまりにも超絶な歌唱のコンビネーションが載る独特の格調高さに満ちたこのサウンドは、紛れもなく「ADAGIO ならでは」なものだ。

とにかく、本作で聴ける構築美ったら・・・もう普通じゃないッスわ。もはや映画的ですらあるほどのスケールの大きさに包まれた全9曲70分超の本作を聴いて得ることができるのは、各プレーヤーの資質を生かしたスリリングなプレイに酔い痴れ、流れ出る美旋律が発散する抒情に顔を歪ませる・・・という至福極まりない贅沢な一時。

#1 “Next Profundis” からラストのボーナス・トラック #9 “Missa Aeterna” まですべての楽曲がハイライト・チューンたり得るクォリティに溢れているが、中でも #4 “From My Sleep … to Someone Else” で同じフランスの耽美派シンフォ・ブラッカー ANOREXIA NERVOSA のシンガー RMS Hreidmarr の邪悪な咆哮と共に激しくブラストする(一瞬だけだけど)パートの冒険心、そしてマジで泣けるバラード #6 “Promisses”の圧倒的な情感には、マジ背筋がビリビリと震えたッスわ。

鍵盤魔人 Richard Anderson の後釜という難易度の高いポジションを任された新たな鍵盤奏者 Kevin Codfert は、これまで無名ながらテクニック/フィーリング的には前任者と比べて全く遜色なし。まぁフレーズに関しては大部分は Stephan 自身のアイデアだと思うんだけど、その Kevin の優雅なクラシカル・ピアノ・タッチは非常に大きくフィーチュアされていて、それが本作の色彩を決める一つの要因として大きな役割を果たしているのが素晴らしい。

ベースの Franck Hermanny の、超ファスト・プレイからフレットレス・ベースでのムーディなプレイまでこなす相当なテクニシャン振りがそこかしこで楽しめるのも嬉しいな。

最後に・・・あまりにも贅沢なんだけど、David Readman の歌唱だけは・・・ちょっとだけ、ホントにちょっとだけ惜しいかなぁ。今回は、用意されたドラマを描画するのに自己の表現をやや犠牲にした感のある「指示どおりに歌ってます」的な部分をたまに感じてしまったのね。パートによっては John West っぽかったり D.C. Cooper っぽかったりって感じたり。ま、そんな思いも、#6 “Promisses” の極限の哀愁歌唱を聴くたびにキレイサパーリ帳消しになっちゃいマスが! あー、オレも自分で書いたバラードに ♪I love you~ って歌詞、絶対入れたるッ!(苦笑)
 (Jul. 22, 2003)

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