Impressions

SLECHTVALK / A Forlorn Throne (2010)

投稿日: 2011/01/10

オランダ産シンフォニック・メロディック・ブラック・メタル・バンド SLECHTVALK の4thアルバム。傑作だった前作 "At the Dawn of War" から5年・・・その間にソプラノとフルートを担当していた Fionnghuala 嬢は抜けちゃったみたいだけど(泣)、待ちに待った新作はそんな出来事が些細に感じられるナイスな出来で一安心。

知的とさえ思える強力なアンサンブルを武器に哀感満載の悲愴メロディを暴虐に渦巻かせるこれまで同様のスタイルで迫りくる中、今回印象的なのは #4 "Divided by Malice" に代表される速度に頼らぬドラマの創出っぷりの見事さだ。タフなブラストが激しく煽る刹那なる高揚感の狭間に、時にノーマルヴォイスの詠唱を効果的に使ったりしながら琴線を感傷的に刺激していく重厚な手触りが、なんとも言えない激情のカタルシスを運んでくるのですよ。

劇的世界を余す所描くには適度と思える7〜8分という尺の楽曲が過半数を占めるという心地良い流れ、そしてシンフォニックな衣を纏った整合感溢れる音像ながらブラック・メタルならではの禍々しい衝動をガッツリと含有している点も嬉しいデス。

満足度 : 87
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