Impressions
アルバム発表ごとに進化を繰り返してきた ANATHEMA の軌跡からして、そのアルバムタイトルから「オルタナ化か!?」と心配してしまったが、全くの杞憂に終わりホッとした。
極限ともいえる哀しみのロマンティシズムを提示してくれた超名盤 "Eternity" に続く本作は、一部の曲のリズムアレンジに「ループ」を採り入れるなど、彼ららしい斬新な一面も垣間見せるものの、これまで同様その「美」へのこだわりは脈々と息づいている。
独特の心地よい浮遊感はまったく損なわれていないどころか、更に情感豊かな唱法を身に付けた Vincent Cavanagh の歌唱と、曲のフックとなる明快なメロディは以前に増して輝きを放っている。
しかしその反面、前作で私を酔わせてくれた情景的な旋律/アレンジの妙味が少々後退したのはちょっと残念。。。
満足度 : 80%