Impressions
ASTRAL DOORS / Astralism (2006)
投稿日: 2006/04/20
スウェーデンの古典派王道ハード・ロック・バンド ASTRAL DOORS の 3rd アルバムは、DEEP PURPLE~RAINBOW をベースに現代的なパワーを加えた手法でプレイされる後期 BLACK SABBATH 風味の楽曲を看板シンガー Nils Patrik Johansson (vo) の DIO 系歌唱が熱さ満点に歌い上げる・・・という独特のスタイルが“お家芸”レベルの円熟っぷりを見せつける一方で、作品全体からこれまで以上に破天荒なエネルギーをダダ漏れさせた快作。
ジャキジャキと鳴るギター・パートのワイルドなエッジの強さ、そして Nils Patrik Johansson の一皮剥けたハジケ方など、パワー・バンドを強靭に拡幅したバンドが一丸となって更なる前進を狙わんとする勢いの漲り方はカナリ刺激的。特に Nils Patrik Johansson の従来より平均的な使用音域帯をやや高めに設定した印象の高テンションな絶唱は、これまでの彼のベスト・アクトと思える圧倒的な存在感が素敵だ。
そんな熱いプレイに引っ張られるように、各楽曲の叫びどころ/拳の振り上げどころ/ヘッドバングの誘発しどころを心得たキャッチーなフックの充実度も過去最高のものに。強力な疾走チューンズはもちろんのこと、広島をテーマにした #2 "Black Rain" 先に EP として発表済みのリーダー・トラック #7 "Raiders of the Ark"、メロディックにギャロップするメタル・アンセム #12 "In Rock We Trust" らのミドル・テンポの楽曲群がここぞの適所で輝きを放つバランスの良さがポイント高いッス。
(Apr. 04, 2006)
満足度 : 87%