Impressions
Yngwie Malmsteen 系様式ギタリスト 太田カツ 率いる国産ネオ=クラシカル・メタル・バンド ARK STORM の 2nd アルバム。
本作の制作にあたってメンバーを一新するという様式系ギタリストのゴールデン・ルールに則った行動がコリャまた素敵♪(萌)なのだが、冗談はさて置き今回はそれが見事に効を奏した充実の一枚になっている。
まず、嬉しくなるくらいにジャパニーズ様式美メタルの王道まっしぐらな楽曲の色合いを決定付けているニューシンガー 佐々井 康雄 (ex-SHY BLUE) の歌唱がなかなかイイ感じ。ガナリ系の目立つ日本人シンガーの中では(この佐々井も多少そのケが無くはないが)珍しくメロウな甘さを滲ませるそのスムースな唱法は実に新鮮で、たくさんの光速楽器音が乱舞する楽曲に「良質な歌モノ」としての生命を与えることに成功している。確かに全般的にまだまだ硬さも感じるが、これからにマジ期待の新鋭ッスわ。
そして、6弦ベースを操るスーパー・テクニシャン 瀧田 イサム (六三四) による、太田カツ の Malmsteenic なプレイに追随する鬼弾きも、この ARK STORM の新たな魅力。生粋のネオ=クラシカラーではなく、持てるテクニックを請われて様式フレーズを弾いているとは解っていても、そのファスト・ランニングのスリルはついつい耳が追ってしまうんだよね。
太田カツ 自身のプレイは、安定した超早弾きテクニックと豊潤なタッチ・フィーリングを兼ね備えた Malmsteener としては世界指折りの実力を感じさせるものだが、高速アルペジオが主体のフレージングの「メロディ感の乏しさ」が、せっかくのスーパー・プレイを耳を素通りさせてる感じ。
(Aug. 26, 2003)
満足度 : 82%