Impressions
DARK ILLUSION / Beyond the Shadows (2005)
1982年結成という長い歴史を持つスウェーデンの正統派へヴィ・メタル・バンド DARK ILLUSION が長い活動休止期間を経て放つ遅咲きのデビュー・アルバム。
リリース前に試聴した短いサンプルで聴けたシンプルかつオーソドックスな欧州メタルの風味に「あぁ、HAMMERFALL の劣化コピーね…」と高を括ってしまったが、蓋を開けてみたら全然ちゃうくて(^o^;、その古臭くも実直なヴィンテージ・メタル・サウンドは、晩期 N.W.O.B.H.M. の流れを汲む 80's アメリカン・メタル・・・喩えるならば当時の RIOT に近いと言えるスタイルに往年の北欧メトゥ色を加えたもの。
シンガーとして名手 Thomas Vikström (STORMWIND, etc.)、リズム隊に Pontus Egberg (b/ex-LION'S SHARE), Jonas Ostman (dr/ex-GLORY, YNGWIE MALMSTEEN) という現役陣をサポートに迎えながらも見事なまでに 80's クサレメタルの色彩に満ちたダサカッコイイ楽曲は、後半に進むにつれてデビューまでの期間の長さが仇となったかの散漫さを見せてしまっているのは確かながら、不屈の闘志で世紀を超えてのデビューを実現させた中心人物 Tomas Hultqvist (g) の叙情的なギター・プレイの素晴らしさが多くの部分をカヴァーしている感じ。
Michael Schenker, Uli Roth, Randy Rhodes, Vinnie Moore らからの影響を公言するそのウェットなメロディック・プレイは、ペンタトニック・スケールをベースとしながら多彩な泣き技を絡める Mark Reale (RIOT) や Doug Marks (HAWK) の名を想い起こさせるもので、ホントこの耳ってば曲中でその魅惑のフレーズばかりを追ってしまうデスよ。
もちろん、このヒロイックなアートワークの美しさも、本作の印象を良くするのに一役買ってマス。
(Nov. 16, 2005)