Impressions
HIGH ON FIRE / Blessed Black Wings (2005)
投稿日: 2005/03/20
米国カリフォルニアのストーナー・キング SLEEP のメンバーだった Matt Pike (vo,g) 率いる爆裂トリオ HIGH ON FIRE の 3rd アルバム。
出自から連想されるストーンなダウナー・フィールを根底に感じられなくはないけど、全編を支配するのは(「負の」ではあるけど)エネルギーが爆発するアッパーなドライヴ感。
乾いた表面の奥に潜む図太い芯に粘度を残した邪悪な歪みが禍々しい埃っぽさを撒き散らしながらヘヴィにうねる「VENOM で CELTIC FROST で MOTORHEAD」な原始の激烈ロックは、大鉈の如く振り下ろされるパワー・コードの淀んだ余韻から弾け出る音の粒の揺れ具合と、時折見せる BLACK SABBATH ばりのメロウな暗黒ヘヴィ・スウィングの絶妙なタイム感が「こいつは本物だ!」と確信させる。
なんつーか、荒々しく生々しいある意味 OUF なこの「始祖的」な音楽をカコイイ!と理解できちゃう己のカコヨサに酔えるような普遍的なカコヨサがホントにカコイイ!(超難解/苦笑)って感じで、流れ出る轟音に心地良く身を任せる我が身を粗野で野蛮な豪傑と錯覚させるかの滋養強壮作用の強さは、この HIGH ON FIRE の大きな魅力だ。
そんな風に大音量で聴いててメッチャ心地良くも、これが“ヘヴィ・メタル”として語られるには微妙な違和感が・・・? そんなモヤモヤは、ボーナス DVD のライヴ映像観て氷解したですよ。こりゃこの20年間のエクストリーム・ミュージック史の洗礼を受けた Jimi Hendrix だわ。なーるほど。
(Mar. 17, 2005)
満足度 : 85%