Impressions
アメリカン HR が華やかかりし80年代末に、Whitney Houston 等の超メジャー系ポピュラーアーティストを手がける一団が当時のキラージャンルであった HR/HM をも制覇しようともくろんで送り込んだものの、密かに登場してそのまま密かに消えていったゴージャス系産業 HR の逸品。
NIGHT RANGER, BAD ENGLISH に近いそのサウンドはさすがに恐るべきクオリティを備えていて、"Some Kind of Miracle", "Winner Takes it All", "Only the Young"・・・といった哀愁に満ちた「哀愁のメロディハード」のお手本のような楽曲をはじめ、産業ハードポップの酸いも甘いも知り尽くしたかのような名曲レベルの楽曲が目白押し。
本作のクライマックスであろう大曲 "The Last Romantic Warrior" は、序盤の "Let It Be" を思わせるしっとりとしたバラード具合から一転、リズムチェンジと共にドラマティックギターソロの大洪水による超盛り上り大会の様相を呈し、その狂おしきエキサイトメントに涙せずにはいられぬ名曲だ。
(1999/01/08:記)
満足度 : 89%