Impressions
HUBI MEISEL / Cut (2002)
ジャーマン・プログレッシヴ・メタル・バンド DREAMSCAPE のシンガーだった Hubi Meisel のソロ・デビュー盤は、80年代への憧憬に溢れる7曲入りカヴァー集。
ソロ・キャリアの第一歩となる重要な作品がなぜ全曲カヴァーなのかという素朴な疑問はさて置き、RUSH の "Red Sector A" を除いては CUTTING CREW, REAL LIFE, THE CARS, A-HA, MR. MISTER そして FRANKY GOES TO HOLLYWOOD というモロに当時の MTV を思い出しそうなメロディアスなポップ/ロック路線で統一されていて、「ここに THE FIXX と GO WEST が加わったら完璧なのに!」という倒錯した感情さえ芽生えちゃったりして。(笑)
が、そんなメタラー的にはネガティヴな連想を誘うイメージとは裏腹に、音の方は聴いてビックりのしっかりとギター・オリエンテッドなハード・ロック・アレンジが施されていて、Hubi Meisel 自身の(DREAMSCAPE の作品で既知のとおり)Tommy Heart の線をやや細くしたトレブリーな伸びやかさに時折 Valensia を薄めた趣の感情移入を絡めた非常にクオリティの高い歌唱も手伝って、聴いてる分には「普通にカッコイイ欧州ハード・ロック」として全く違和感のない仕上り。ってゆーのは実はこれらの原曲をあんまり知らないせいもあるんだけどね。(大汗)
が、オレ的にスウィートスポット直撃だったのは、実はギター・プレイヤー Marcel Coenen (ex. LEMUR VOICE /!!)の超絶プレイ。その原曲とあまりにも不釣合いな程に(苦笑)ファストなネオ=クラシカル・パッセージをこれでもかと弾きまくる息を呑むエモーションは、メッチャくちゃ好みッスわ。現在はアンサインドながら SUN CAGED, FIFTH といった幾つかのバンドで活動しながらソロ・アルバムを出しているらしいと知っては、またまたお金が飛んでいってしまうぢゃないか~。(嬉泣)