Impressions
フィンランドのシンフォニック・ゴシック=デス・メタル・バンド DIVERCIA の 2nd アルバム。
SENTENCED の寒々しいダークな哀愁を IN FLAMES のキャッチーなモダン・エクストリームと NIGHTWISH のシネマティックな壮麗メタル・アレンジで調理した美味しすぎる路線ながら、弱々しいニュー・ウェーヴ系ヴォーカルのあまりのダメさ加減が聴く気を失せさせていた前作から一転、そのヴォーカル・パートの弱さを完全に克服して素晴らしいバンドへの生まれ変わりに見事に成功したことをアピールする改心の一枚だ。
弱点だった♂シンガー Jyri Aarniva (vo) の雰囲気モノの囁きヴォイスは、今回邪悪な力強さの注入とエクストリームなデス=ヴォイスのパートを大幅に増加させた事によるバランスの好転が、儚げなナイーヴさはそのままに耽美な暗黒慟哭をググっと呼び込むというプラスに方向に作用した奇跡的な改善を見せているのが、なんとも頼もしいぢゃあーりませんか。
楽曲的にも、隙の無い確かな演奏力の弦楽隊+鍵盤によるテクニカルなリックと共にドラマティックに急転直下するゴージャスな煌びやかさが、これまた好バランスなデジタル・エッセンスと TO/DIE/FOR や H.I.M. に通じる中性的なしなやかさを伴って、前作以上の独特な耽美なノリノリ暗黒叙情メタルっぷりを弾けさせているのが嬉しいね。
ちなみに、強力なビートが耳を惹きつけるドラマー Teemu Laitinen は TOC, BRIDE ADORNED の彼。
(Nov. 14, 2004)
満足度 : 85%