Impressions

CRADLE OF FILTH / Darkly, Darkly, Venus Aversa (2010)

投稿日: 2011/01/03

英国のシンフォニック・ブラック・メタル・バンド CRADLE OF FILTH の9thアルバム。

前作は、初期の作風に通じるシンフォニック&シアトリカルな装いを復活させつつも、個々の楽曲の印象の弱さが悔やまれた惜しい一枚だった。が、本作では一転してそれらの初期風味はそのままに各曲の強度をガッツりと増し、"Dusk and Her Embrace""Cruelty and the Beast""Midian" らの名作群が発していた CRADLE OF FILTH ならではの耽美なる狂気の魅力をきっちりと封じ込めてきた。

このところ目立っていたギターのエッジの強さに加え、今回は前作から参加の Martin Škaroupka (dr) が怒涛の手数足数をもってファストに叩き込むアグレッシヴなスピード感を大胆に強調。そんな過去最高と思えるブルータリティで迫るロック楽器陣とロマンティックなシンフォニー・パートの好バランスが生む久々の「メロディック・ブラック・メタルらしさ」(今更w)が、なんとも嬉しく&心地良く響いてくる。

退廃的に疾走する背徳の楽曲群から漂う前述のような「黄金期」っぽい雰囲気に酔い痴れるだけじゃなく、#7 "Lilith Immaculate" で疾走の合間に見せる不似合いな明るさや #10 "Forgive Me Father (I Have Sinned)" で聴けるゴシカルなノリノリ感などの新機軸が感じさせる程好い新鮮味も美味しい。

そして外せないのが、ABIGAIL WILLIAMS を脱退して正式な鍵盤奏者として加入した美しき才媛 Ashley "Ellyllon" Jurgemeyer タン (key,backing vo) の存在。暗黒の中で優美に鳴り渡るピアノの音色の向こうに Ashley タンの美しい姿が透けて見えてくるってだけで、間違いなくポイントUPでしょw その Ashley タンと英国の女性ポップ/ロック・シンガー Lucy Atkins 嬢がパートを分け合う女声パートが随所で生む柔らかなフックにも耳を惹かれます。

あ、書き忘れたけど、今回買った限定デジパック版に付いてきたボーナス・ディスクの4曲が、CRADLE OF FILTH には珍しくネオ=クラシカル・ギターが炸裂する #1 "Beast of Extermination" をはじめ本編以上とも思える佳曲揃いなのも非常にお得感アリだったデス。

満足度 : 89
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