Impressions

MAR DE GRISES / Draining the Waterheart (2008)

投稿日: 2010/02/17

南米チリ産フューネラル・ドゥーム/ゴシック・メタル・バンド MAR DE GRISES の2ndアルバム。バンド名は“Sea of Grief = 悲嘆の海”の意。

DRACONIANSWALLOW THE SUN を思わせるヘヴィに引き摺るダーク・サウンドを根底に持ちつつ、一方では多めの手数で細かく刻まれるテクニカルとも言える側面を、そしてもう一方では灰色の海原に波打つオーガニックなノイズが脳幹を響かせるアヴァンギャルドな顔を覗かせながら紡ぎだしていくプログレッシヴかつアトモスフェリックな風合いは、中期 OPETHNOVEMBRE の名を想起させるとも言える。

大半が7分を超える(最長は13分)という長尺の曲々は、深海グロウルを吐き出すシンガー Juan Escobar が兼務する鍵盤がリードしていくメロディックな悲愴美の拡散をキーに、円熟味を感じさせるメンバー陣が揺らす幽玄なメランコリーがいちいち琴線を刺激しまくるのだからたまんない。

暗さ/重さ/黒さだけではない様々な要素が重なりあって美しき絶望を描くアーティスティックな慟哭が、本場北欧のバンド陣も真っ青の「完全に超A級」な風格を有している事に、とにもかくにも驚かされる一枚。

満足度 : 87
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