Impressions
CHILDREN OF BODOM / Hate Crew Deathroll (2003)
CHILDREN OF BODOM の2年チョイ振りのリリースとなった 4th アルバム。今回からメジャー・カンパニー UNIVERSAL の配給となったのは Spinefarm の資本絡みの理由・・・という棚ボタ的なものなのだが、奇しくもその内容もメジャー配給の名に恥じないワン・ランク上のクオリティに満ちたものに。
順当な成長とは裏腹な刺激の少なさに少々残念な印象を受けた前作のことがあったんで、実は本作にはそんなに期待してなかったんだけど・・・いやはや、いい意味で期待を裏切られた出世作に仕上がっててビックリ。
Alexi "Wildchild" Laiho と Janne Wirman のセンスフルなプレイが鬩ぎ合うメロディックなスリリングさを全く損なうことなくさらにソリッド&ヘヴィに研ぎ澄ました楽曲は、1st~2nd でのワクワクするような上昇気流とはまた一味違った、今の彼らが脂が乗りきった充実期であることを感じさせる逸品ぞろい。
既に昨年の段階でライヴで披露されていた良質のデジ風味をも飲み込んだ新たな Bodomic チューン #1 "Needled 24/7"、超 ANNIHILATOR タイプなソリッド・メトゥ #3 "Chokehold (Cocked 'n Loaded')"、パーカッシヴな激情を疾走させる #4 "Bodom Beach Terror"、コーラス部での熱狂的大合唱が今から目に浮かぶ王道スタイルの #6 "Triple Corpse Hammerblow" ~ #7 "You're Better Off Dead"、パンキッシュなスタッカート・リフがジャンプを誘発する #8 "Lil' Bloodred Ridin' Hood"、彼ら本来の魅力がぎっしり詰まったタイトル・トラック #9 "Hate Crew Deathroll" と、各曲それぞれからその曲なりの良質のフックがしっかりと感じ取れるのが前作との大きな違い。あ、2曲あるのボーナスの片方、RAMONES の カヴァー #11 "Somebody Put Something in My Drink" も、メロディックな魅力が味わえてイイな。
メロディックな魅力と言えば、デス・ヴォイスながらにキャッチーなメロディもたっぷり。Alexi が下品な喚き声で一生懸命にメロディをなぞる時の不器用な感触って、ホント好きなんだよね。
いや~、上手く表現できないんだけど(汗)、とにかく「カッコイイ!」んだよね。聴いててクビが自然に前後に大きく動くのを我慢できないッスわ。
・・・ってゆーか、ドラムの Jaska Raatikainen、何気にスゲーんですけど! 本作の影の主役にケテーイ。(Feb. 04, 2003)