Impressions
元 HELSTAR のギタリスト Joel Gregoire を中心とする、米テキサス州ヒューストンのプログレッシヴ・メタル・バンド STRIDE の 2nd アルバム。
今年の ProgPower USA VI におけるショウの好評っぷりにその存在を気に留めてはいたけど、やっとこリリースされた本作を改めて聴いてみて納得。成熟した卓越技巧を持つメンバーによって奏でられる、欧風ヘヴィ・メタルのクラシックな様式とアメリカン・ネオ=プログレ・ハード風味をミックスさせたスタイルの楽曲はメチャクチャ魅力的ぢゃんね。うん、噂に違わぬいいバンドだコリャ。
テクニカルな演奏が映えるふくよかな地盤の上で、パワフルからメロウまで豊かな表現力を発揮するナイス・シンガー Gary Belin による耳触りの良い明快歌唱とそれをフォローするコーラス・ワークの煌びやかな輝きがある種メロハー的とも言える“歌物”としてのキャッチーな色合いを形成する様は、海外での評を見てみると「DREAM THEATER meets JOURNEY」と表現されているのが目に付くが、オレ的には「SHADOW GALLERY meets WITHOUT WARNING」ってな印象を受けたな。
そしてネオクラ者的になによりビビッと来まくっちゃったのが、Joel Gregoire の嬉しくなるほどにネオ=クラシカル度の非常に高いフレージング/プレイスタイル。これまたセンスの良さを感じさせる達人キーボーダー Rick Flores とともに(時に Marcus Johnson (b) も巻き込みながら)スリリングなユニゾンを決めるシーンのカコヨサは特筆ものだ。
ややモタり気味なドラムをはじめとしてリズムのバラけ具合が時折気になったり、サウンド・プロダクションがイマイチ安っぽかったり・・・ってな「まだまだこれからのバンド」ながら、本作から得ることのできる今後への期待感はカナリのもの。CIRCUS MAXIMUS とともにプログレッシヴ・メタルの明日を担って欲しいもんッスわ。
(Dec. 29, 2005)