Impressions
復帰した Tony Moore (vo) を含む "Thundersteel" 〜 "The Privilege of Power" 当時のメンツに Mike Flyntz (g) を加えたラインナップで制作された14thアルバム。
個人的には Tony Moore のハイトーンも彼の在籍していた時期の作品もちょっと苦手なので本作にもさほど興味を惹かれていなかったんだけど、蓋を開けてみたら安易に“Thundersteel パート2”に走ることなく本来の RIOT らしさを追求したかの意外な良さにびっくり。
掴みはバッチリの #1 "Riot" はじめスピード・チューンも決して少なくないんだけど、 Tony のハイトーンに生まれた経年変化による微妙なマイルドさとそれだからこその中庸メロディの連続が、図らずも全編に「永遠の中堅米産バンド」的な味わいを再臨させている印象なのだ。そして、ミドルテンポの曲が捨て曲と佳曲の狭間を行き来しながら、心地好い中弛み(苦笑)を呼び込む妙な魅力を発しているのも極めて初期的っしょ。
というように、むしろ「本来の RIOT らしさ」という意味では、90年代終盤以降の作品の中では本作が一番かも。彼らのスピード・メタル・サイドにおける「無理してる感」が全て払拭されているわけではないけど、アメリカン・メタル・バンド RIOT としての魅力がバランスよく楽しめる作品になっている。
ただ、Mark Reale (g) のプレイだけは何故かちょっと覇気が足りないような???
満足度 : 85%