Impressions
イタリアン・メロディック・メタル・バンド BEHOLDER の、有り得ないジャケの 3rd アルバム。
S.E.を絡めてみたりしながら近未来チックなプラスティックの手触りを感じさせつつ展開するヨーロピアン XaMetal は、ますます表現力を激増させた Patrick Wire (♂vo) のヘタウマ(ウマ…微妙…/汗)・エキセントリック歌唱と、溌剌とした中に柔らかな色気を漂わせる Leanan Sidhe 嬢 (♀vo) の魅惑の女声が絶妙にパート・チェンジを繰り返しながらアドレナリンの噴出を促す、前作までの延長線上のスタイル。
テンション高くアグレッシヴに刻まれるサウンドの中、今回はアコギやピアノが響く静のパートが催す悶々とした愁いがこれまで以上にフィーチュアされ、さらに各々のプレイの余裕と安定がある種の風格まで滲ませ始めた印象だ。
中でも、楽曲に知的な冷ややかさを加味し、それを完全にこの BEHOLDER の「色」にまで昇華させている鍵盤奏者 Mark Vikar のプレイは、前作のリーダー・トラックの P.V. で世界を震撼させた衝撃のパフォーマンスが伊達ではないほどに本作で効果的に響きまくっているのが誇らしいね。多分、鍵盤噛むだけじゃなくてちゃんと弾かせても相当凄いッスよ、コイツ。(笑)
ただ、安定感を増した分、悪い意味での落ち着きが出てきてしまったのもまた事実で、美味しいパートが連続しつつも決め手の曲が惜しくも見当たらない無いせいもあって「おぉ~、なかなかいいんじゃん~?」と思いっぱなしでいつの間にか終わってる感もアリ。
ピアノ・バラード #7 "Far Away" にて Roberto Tiranti (a.k.a. Rob Tyrant/LABYRINTH) がびしょ濡れ歌唱を披露。同一アルバムの中に比較対象が出来ちゃうと、Patrick・・・ちょっと辛いね。。。(^o^;
(Aug. 29, 2004)