Impressions
フィンランド産メロディック“狼”ブラック・メタル・バンド CATAMENIA の7thアルバム。
前作は、中堅としてややマンネリの傾向にあったバンドが、シンガーの交代劇によって新たに齎らされた硬質なヴァラエティによって勢いを取り戻した充実の一枚だったが、本作もその流れをキッチリと汲んだ好盤となった。
常に哀しみの旋律美を纏って極北の大地に猛速で吹き荒むその悲愴なる極寒ブリザード・ブラックは、ノーマル濁声ヴォイスがプチ・ヴァイキングな勇壮風味を演出する腰の据わったメランコリーの同居も特徴的で、コンパクトにまとまった慟哭に更なる聴き易さが備わってきたのがトピックだ。
前作でキラーだった "Verikansa" レヴェルの傑出した楽曲が今のところ見つかっていないのが残念だけど、タイトル・トラック #7 "Location:COLD" ~ #8 "The Day When the Sun Faded Away" という本作の中で最もメロディの強さを感じる流れはかなり強力。
(Sep, 22, 2006)
満足度 : 84%