Impressions
イタリアはミラノの男女シンガーを擁する7人組ゴシック・メタル・バンド MACBETH の4年振りの 3rd アルバム。
前作までの王道ゴシックの耽美な香りへの拘りはそのままに、本作ではその息吹をコレまで以上にシンフォニックなメタル・ドライヴで調理したと思える、エネルギーを強く感じさせる作風だ。
冷ややかなキーボード処理とネオ=クラシカル風味もあるメロディック・ギターが対峙しながら、控えめな貞淑フィールが萌えを誘う知的美女シンガー Morena 嬢とよく裏返る中性的クリーン・ヴォイスがキモい(笑)♂シンガー Andreas のドラマティックな絡み合いを盛り立てる楽曲群は、印象的なフックとメロディを適所に展開させたよく練られたもの。そう、この MACBETH の良いところって、とにかく曲がイイことなんだよね。
だけど、よりメタリックな風合いになったことで、これまでも不安要素だった各プレーヤの力量的な弱点がさらに露わになっちゃったのはちょいとマズイ・・・。中心人物ならではの主張を見せる Fabrizio (dr) の下手ッぴなドラムはさらにダメっぽく浮き上がり、なかなか頑張っているリード・ギタリスト Alex (g) もスウィープこそ華麗にキメるものの所々で速弾きが完全に破綻。そうなると、主役の両シンガーが実は特別上手はないこともあって、全体がチープなC級フィーリングに覆われてしまうんだよな。。。
シアトリカルな #6 "Good Mourning"、哀切なピアノの打鍵に Morena 嬢の可憐な独唱が乗る #8 "Keep the Secret" など前述のようにやっぱりイイ曲はあるし、前2作をソコソコ気に入っていた身としては美味しいところも確実に存在するんだけど、全体的にはちょいと残念な感じ。
(May 19, 2005)