Impressions
オランダのプログレッシヴ・ロック・バンド KAYAK が、自らが81年にリリースした唯一のコンセプト・アルバムである名盤 "Merlin" を、22年の歳月を経て新たな見地/手法/技術で見事に再編!
アーサー王の宮廷魔導師マーリンに焦点を当てた Mary Stewart 著の小説 "The Crystal Cave" をモチーフにしたこの組曲、オリジナルではアナログA面の5曲のみという構成に留まっていたが、今回はそこにに新たなパートを書き足した全14曲70分というCDというフォーマットを生かしたヴォリュームで、いわばこれこそが「完全版」というスタンスだ。
30人編成の壮麗な生オーケストラと Cindy Oudshoorn 嬢の力強い女声パートを惜しげも無く乱舞させた新アレンジは、元々のテーマにぴったりのファンタジックな装いを加味することに大成功。
プログレッシヴ・ロックならではのスリリングな展開美/優雅な叙情美に加えて、KAYAK 持ち前のポップ・センスが煌く「歌もの」としての充実度も高くて、各曲ごとでも通してでも聴いててとにかく心地良いんだよなぁ。
今後当分の間は、「シンフォニック・ロックって?」って訊かれたら迷わずこのアルバムの名を挙げることケテーイ。(^^)
(Mar. 09, 2003)
満足度 : 90%