Impressions
以前 KING DIAMOND の名曲 "Sleepless Night" をカヴァーしているのを耳にしたことのある SORROW BEQUEST なるバンドを前身とする、米ノース・カロライナ出身のヘヴィ・メタル・バンド WIDOW のデビュー・アルバム。
映画 Exorcist のテーマ "Tuburar Bells" のフレーズに覆い被さる淫靡な喘ぎ声にニヤリとさせられた直後に切り込んでくるのは、80's クラシック・メタル的なクサレ具合のトゥルー・ダサ=メタルをベースに Gothenburg 系の北欧慟哭メロディック・デス風味を融合させたとても米国産とは思えぬスタイルの音で、フェイヴァリット・アーティストに MERCYFUL FATE や WARLORD の名を挙げるだけの事はある全体的な音像の古臭さ(もちいい意味ね)とは裏腹に、この耳にはなかなか新鮮に響いてくる。
メインで歌われる N.W.O.B.H.M. 風味漂う淡白なメロディック歌唱に絡む、押し潰したデス・ヴォイスが少々耳障りだったり、やや未整理な印象もあるそれぞれの楽曲の尺がかなり短い・・・という幾つかの欲求不満な点を感じるけど、まぁそのあたりは本作はデビュー盤とはいえデモに毛が生えた程度の位置付けってことで、今後の改善に充分期待できる範囲内だな。
そんな中、全編で乱舞しまくるツイン・ギターのメランコリックな愁いだけが、既に絶品の域に達したかの充実を見せているのには実に驚かされたデス。Cristof (g) & Johnny (g,vo) の2人が、ウェットなテクニカル・タッチを持ってバトルとハーモニーを繰り返しながらネオ=クラシカルなエクスタシーを形成していく様には、思わず「おぉ!」と小さく叫びながらついつい身を乗り出させられてしまう威力あり。(嬉)
あ、オープニング以外にもなぜか唐突に喘ぎ声が挿入される場面があって(しかもメッチャ感じ過ぎ!/笑)、家族団欒中のリヴィングぢゃ絶対かけられんわ、コレ。(汗)
(Dec. 04, 2003)