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SPITZ / 三日月ロック (2002)

投稿日: 2002/09/20

ジャパニーズ・メランコリック・メロディック・ロック・バンド、SPITZ の記念すべき10枚目のアルバム。
その音楽が誰もが疑うことなく「ロック」であるのにもかかわらずアルバム・タイトルにあえて「ロック」という名詞を冠するその精神性には、"Kings of Metal" を掲げた MANOWAR と同質の崇高な魂の輝きを嫌でも感じてしまう。(狂)
ガッツィーなヘヴィ・エッジを強調した大傑作だった前作 "ハヤブサ" と比較すると、本作は "フェイクファー" 以前の彼らの持ち味だった躍動するメロウさを大幅に引き戻した感のある、やや落ち着いたとも言える作風だ。
とはいえ、ここ数年の彼らを揺さぶったラウド・ロックの息吹はやはり確実に SPITZ というバンドの血潮となっているようで、本作でもその激しい側面を所々で曝け出しているのがミソ。スタジオ・テイクとして J-POP の範囲を逸脱しない控えめなハード/ヘヴィさで収録されている、どことなく LILLIAN AXE な雰囲気のある #3 "さわって・変わって"、軽快にドライヴする #6 "ローテク・ロマンティカ"、ヘヴィなダウン・ストロークと悶々としたアルペジオそしてギター・ハーモニーが見事に結実した #9 "エスカルゴ"、ブーストしたベースがメタリックに邁進する泣き泣きの哀愁メタル #13 "けもの道" あたりの「ヘヴィ・サイド」の楽曲群は、想像力豊かなオレの耳にはスタジオ・テイクの69万倍に轟音化された「ライヴ版」の音像で迫ってくる。その対抗手段は・・・もちろん首がもげるまでヘッドバング! それしかない!!
もちろん、それら以外のヘヴィな要素が希薄な他の楽曲も、従来通り 草野 マサムネ の「反則ヴォイス」(笑)で歌われる、あざといまでに郷愁を誘いまくるメロディが満載だ。冒頭の、イントロから歌い出しまでの雰囲気が CLOCKWISE を連想させる仄かな哀愁に包まれた #1 "夜を駆ける"、快活でフォーキーながらなぜか泣けちゃう #8 "海を見に行こう"、哀感に満ちた悶絶浮遊バラード #11 "ガーベラ" ・・・と、それぞれの曲が体内に孕んだ甘酸っぱいというよりは内省的な暗さが心地いいな。
あ、楽曲が崩壊寸前まで不必要にフレーズを暴れさす生粋のヘッドバンガー 田村 明浩 (B) と程よい手数で子宮に響くビートを真摯に叩き込む超弩級ドラマー 崎山 龍男 (Dr) の最強リズム隊も、当然ながら今回も最高級のグルーヴを聴かせてくれてマス。(^^)

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