Impressions
FREAK KITCHEN / Move (2002)
投稿日: 2002/11/20
変態テクニシャン Mattias "IA" Eklundh 率いる FREAK KITCHEN の 5th アルバム。
FATE の "Scratch'n Sniff"、PAGAN の "The Weight" でそのセンスフルな妙技に惹かれてはいたものの FREAK KITCHEN 自体はこれまで断片的にしか聴いたことなかったんだけど、今回薦められるままに聴いてみたら、これがなかなかジャン。
トリオ編成ならではのシンプルな隙間感も◎な一筋縄では行かない楽曲は、Mattias の超絶なテクニックを駆使した「エフェクト・プレイ」が全編に塗布された、ヘヴィなリフがポリリズムで迫るプレグレッシヴな感性爆発なもの。
そんな自己満足寸前にヘンテコな造りの曲々だが、どの曲にも Mattias 自身が歌うポップともいえる歌メロがたっぷりで、その耳触りは驚くほど良好だ。適度に皺枯れながら明瞭な素朴を感じさせる歌声が、想像してた以上に巧さを孕んでいるのも驚きだ。
中でも、愁いあるキャッチーさがグッと来る #2 "Nobody's Laughing"、仄々とした暖かみが広がる #8 "Seven Days in June" なんかは特にイイ感じ。スタイルは違うけど、方法論としては Paul Gilbert が実践してるそれに近いものを感じるな。
どうしても奇天烈な側面が耳に付きがちな Mattias のプレイだけど、実はウェットなヴィブラートと粒の揃ったクラシカルなファスト・プレイという北欧のギタリストならではの特色に満ちているのがポイント高いんだよね。
メタリックなパワー・ヒットとジャジーなグルーヴが融合した Björn Fryklund (dr) の叩きっぷりも耳を惹くなぁ。
満足度 : 83%