Impressions
MIND ODYSSEY / Nailed to the Shade (1999)
MIND ODYSSEY って、ここまで DREAM THEATER っぽかったっけ? で、ここまで整合感のあるハイ・クオリティな音造りが出来るバンドだったっけ? イヤー、化けるもんだね~。
本作で聴けるのは、明らかに DREAM THEATER を土台としたテクニカル・プログレッシヴ・メタル。それもヘヴィ・メタルの側面からのアプローチによって、メタル・エッジのザクザクした重さに溢れたもので、演奏技術に全く不安な所が無い各メンバーによって支えられた楽曲は、クリアかつタイトにまとまった良質な録音のせいもあって緊張感たっぷり。
どの曲も革新的でソリッドな印象ながら、サビになると突然メロディック・メタルとして責めるパターンが多く、ついつい「あ~、全部この路線だったらいいのに~」と思ってしまう。そのサビメロで垣間見せるメロディ・センスはカナリのもので、"Apollo13", "Not with Me" あたりなんてチョー好みな感じ!
それだけにプログレッシヴな部分の魅力の足りなさが残念だ。要は DREAM THEATER 寄りの拡散する部分を聴かせるには、チョイトだけ引出しの中身が少ないかな?・・・という印象だね。
またシンガー Mario Le Mole の、Ralf Scheepers (PRIMAL FEAR) が James Labrie (DREAM THEATER) のフィーリングで唄っているような歌が気持~ち音痴で、肝心のロングトーンで微妙にピッチを外してしまっているのも、上手い人だけに惜しいところ。
ま、クオリティはこの手の中では相当に高いよ。音もカナリ良いし。
ちなみにボーナスである TOTO のカヴァー "St.Georgeand the Dragon" は・・・残念ながらイマイチ。結構この曲の存在が買ったメインの動機だったんだけどな~。(99/03/05)