Impressions
AVA INFERI / Onyx (2011)
投稿日: 2011/04/20
元 MAYHEM の Blasphemer こと Rune Eriksen (g) 率いるポルトガル産ゴシック/ドゥーム・メタル・バンド AVA INFERI の4thアルバム。
紅一点の女性シンガー Carmen Susana Simões 嬢が発する清らかな魔女の歌声と共に陽の届かぬ地中海の底を這う漆黒の呪術ドゥームは、本作で“躍動感”とも呼びたくなるような劇的な惹きの良さを享受。それによって、従前持ち合わせたアンビエントな反復の魔力に直接的な叙情美による琴線への強い刺激が加わり、その楽曲は凄まじい殺傷力を発揮するに至っている。
メンバー各人がそのプレイアビリティの高さを持って、闇き情念を渦巻かせる妖しいエモーションと“ロック”なヴァイブをフル充填した高次元のアンサンブルを冥界の混沌の中で整合性高く構築する様は、まさに“奇跡”の一言。これまでになく強いメロディを沈痛に吐露する #2 "The Living End"、陰鬱でありながら気高い美しさに満ちた #3 "A Portal"、そして悲哀に溢れるゴシカルな終曲 #8 "Venice (in Fog)" といった暗黒フックに長けた楽曲の連続に、深夜のドゥーム酒の酔いは非常にイイ感じに助長されまくりですとも。
「THE 3RD AND MORTAL の正統な後継者」って俺的な勝手な位置付けに一層の確信を持つことができる、彼らの最高傑作かと!
満足度 : 91%