Impressions

QUEENSRŸCHE / Operation:Mindcrime (1988)

投稿日: 1999/03/20

恐ろしいほどの構成力で聴かせる HM史上2番目に輝く(トップは当然 "Abigail" by KING DIAMOND/笑)コンセプトアルバム。
正確な発音が解らず「くいーんずらいひ」とかなんとか呼んでいたファースト・ミニ・アルバムを、当時毎日のように入り浸っていた ROCK 喫茶 "HOLY HOUSE" で聴いて(その節はご迷惑かけました ^_^;>藤谷マスター)その瞬間から QUEENSRYCHE は「メタル界の救世主」だと私の潜在意識に植え込まれてしまったらしい。それだけその硬派な正統派HMのお手本のようなサウンドはインパクトがあったわけだ。
続くファースト・フルレンス・アルバム "The Warning"と、未来型HMを提示した "Rage for Order" で聴ける、期待していた正統派HMサウンドからは多少距離を置いた革新的な音作りは QUEENSRYCHE が只者でない事を告げると共に、HMの未来をも垣間見せたが、正直に言うとHM本来のエキサイトメントは些か稀薄に感じ、それがHMの未来なのかと思うと少々歯がゆかった。
そして衝撃的な本作 "Operation:Mindcrime" の登場である。
前作で見せたデジタルアレンジによる「未来」は影を潜め、HMの持つ「ドラマ」を極限までデフォルメすることによって、前作とは違う意味での、そして本来の意味での「HMの未来」を提示してきたのである。
濃密に作り込まれた緻密なアレンジでありながらも、シンプルで感動的なメロディと配曲の妙によって、ゲップが出る事はない。
この名盤の立役者は間違いなく Geoff Tate だ。超人的ハイトーンで他を圧倒しながらも、これまでは感情の吐露が稀薄であった Geoff Tate の歌が、なんと本作では恐るべきエモーションにつつまれ、聴き手を物語の世界へ誘うのである。やはり彼らは「救世主」だった!
・・・と思いきや、"Empire" では少々コンテンポラリな方向へ目標を転換("Jet City Woman"は好きなのだが・・・)、"Promised Land"、そして "Hear in the Now Frontier"は、現時点では残念ながら私の耳にアピールするには至っていない。

満足度 : 94
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