Impressions
ON THORNS I LAY / Orama (1997)
投稿日: 1998/07/20
このギリシャの出身のバンドは、その ON THORNS I LAY なる魅力的なバンド名がずっと気になる存在ではあった。私のバンドに同名のタイトルを持つ曲が出来てしまったほどに・・・。
そんな想いを背景にやっとこさ入手したこの作品 "Orama" は、海中に沈んだ伝説の大陸アトランティスを題材にしたコンセプトアルバム。
それまでのイメージから全編幻想的で幽玄な Atmospheric Gothic サウンドだろうと勝手に想像していたのだが、蓋を開けてみれば想像どおりの美しく浮遊する部分は多いものの、思った以上にギター主導のメタル色が強い。そのメタル部分の骨格を担うギターはスウィープを連発するネオクラシカルなタイプで、なかなかの叙情センスを発散している。
かなりの歌唱力を誇る女声シンガーとディープなデス声のコンビネーションもなかなか良く、様式ギターとそれを甘く包み込むシンセが構成するドラマティックな曲もかなり良さげなのだが、ベース&ドラムのリズム隊の録音がとにかく激ショボなのがかなり辛い。
ぜひ次作ではその辺りを改善して、その独特のロマンティックな美旋律に酔わせて欲しい。ちゃんと買うから。
満足度 : 76%